相談した日

朝駆けつけ可能の連絡をするも、父は結局自力で病院へ。

強めの抗生剤、咳止め処方され、血液検査・CTをやったらしい。

明日また病院へ診察結果を聞きに行くとのこと。

 

そして午後出勤するといい、やはり止めても聞かない。

以前よりは柔らかくなってきたけど、根本はまじで頑固親父のままだ。

正直大事な仕事だと言ったって、ずらせる話なのではと思うし、周りだってヘロヘロで咳している病人が出勤してきたら絶対気を使うし、命削ってまでやる事はないと思う。

でも父のプライドが許さないんだろう。

そして、そこは否定してはいけないところなんだとも、思う。

様子を見つつ、何より体調を優先してほしいと声をかけ続けるしかない。

 

PM、何をどう話していいかもまとまらないままだけれど、ひとまず相談のためのフローだけでも聞いてみようと病院の相談窓口にTEL。

淡々とした説明だけれど穏やかた口調の方が対応してくれた。

病状・治療について→直接主治医へ。

サポートについて→窓口にいつでも訪問OKとのこと。心強い。

 

急変時すぐに駆けつけられないかもしれない状況が一番の不安だと相談すると、介護保険を使用して訪問看護師が家に定期訪問する選択肢もあるという事を軽く説明してくれた。もちろん申請は必須・介護度によって受けられるサービスは違うようなので、本人の同意なしには話は進められない。

現段階では父は自力で動けているので、まだ具体的に進める話ではないと思う。

けど、あらかじめ調べておく・兄弟と共有して相談しておく必要はありそう。

 

明日の診察、ついて行った方がいいと思うけれど、もし先生に悪化していると言われたら冷静に話を聴けるのだろうか。正直いって、自信が全然ない。お荷物になってかえって気まずい思いをさせる気がする。

どうしても10数年前の母の告知の時を思い出してしまって。

私がしっかりしなきゃという決意で行ったにも関わらず、診察室の中で泣き崩れてしまった記憶。今だって別に慣れた訳じゃないし多分厳しい。

 

割と淡白な家族関係だったと思うし、平和な家庭だった訳でもない。

それはそれはもう色々あった。

でもそれとこれとは関係なくて、死は怖い。死の影はどうしたって怖いんですわ。

 

一番距離が近いのは私だからすぐにでも行ったらいいんだろうけど。

どうしたらよいのかまとまらなくて情けない。

高熱の日

今日は実家に一泊するつもりで準備。

気になっていたコッペパン屋さんに立ち寄り、父にいるかどうか電話してみたところ「一つ食べようかな」とのことだったので差し入れ。

 

パンを父と半分こしながら食べる。一個分位は食べられてたかな。

とはいえ身体は相変わらずしんどそうだし咳も出ていた。

仮眠とったらまた少し起きて、というのを繰り返しつつ。起きている時は音楽の話やら、ギター弾いて雑談もできていた。

 

居間での昼寝ではゆっくり眠れないのではと思い寝室での仮眠をすすめる。

2時間ほどたって居間に来た父は、

「38度越えの高熱が出た。コロナの可能性もいよいよ疑わなくてはいけないから 悪いけど泊まらず帰ったほうがいい」と。

それならますます私がいた方がいいし、寝室は分けて別々に過ごして、明日病院へつきそうと言ったものの、聞き入れてもらえず。

しかも通院後は仕事に行くつもりらしい。

他の人に任せられない仕事があるということらしく、いくら休むようにすすめても譲らず。

ていうかコロナの心配あるんだったら尚更出勤するべきではないのでは...

 

こうなると父は本当に頑固なので、ひとまず飲むべき薬について病院に指示を仰ぐのを見届けてから、私は言われたとおりに帰宅してしまった。

明日朝起きておくし、自力で病院に行くのは危ないから絶対に無理しないで欲しいこと、タクシーの利用も考えてほしいことをお願い。

 

妊婦の私をコロナの危険に晒してはいけないという心遣いなのだろうけど...

今後副作用やがんの症状で高熱が出たとき、その時こそ助けが必要なのに私は側にいられないのだろうか。

父が甘えられる存在は今いない状態なんだなあと痛感した。どうしたら良いんだろう...

 

明日、病院内のがん患者家族のサポート窓口に相談してみようと思う、何も解決しないかもしれないけど、それでも。

不安な日

父によると、ここのところ、気力と食欲があまりわかないとのことだったので、食べやすくて日持ちしそうなおかずを3〜4品、ゼリー飲料を差し入れ。

それと父はめずらしいもの好きなので物産展でゲットしたヨーグルト飲料、お菓子も。

 

姉も遠方から駆けつけ、午前から一緒にいてくれたみたいだった。

 

ただ、私が訪れた頃には父はひどい咳をしており、高熱も出ていた。

起きているのも辛そうだったので、早く寝てもらうことにし、私たちは帰ることにした。

 

なんだか今日は空回ってしまった気がする。父が本当に必要なサポートはなんだろう?これから私に何ができるんだろう?

ただ一緒の家にいるだけでもいいのかもしれない。様子を近くでみていた方がいい気がする。

 

姉と別れ際、「肺に転移」という可能性の話もした。母がそうだったから。

もちろんまだ何もわからないけれど。

母のがんが肺に転移してからの症状の悪化は早かった。考えすぎでありますように。

 

帰宅後夫と話し合い、これから実家に泊まれる日は泊まることにした。

万が一のために私自身の入院用バッグも車に積んでおこう。

体調の変化の日

産休前で少々ばたつき、差し入れを持っていく余裕も無く。

産休入り後は魂が抜けたようになり、体調も悪く2日程ほぼ動けずの状態になってしまい、1週間以上様子を見にいけなかった。

そんな折、父に体調の変化あり。

 

・全身に湿疹あり(酷め)、ステロイド塗り薬を処方され使用中

・薬疹の可能性あり、抗がん剤服用中止

・院内の皮膚科受診、蕁麻疹の診断

・食欲なし 微熱あり

 

抗がん剤中止。ショックだと思う。

すぐに駆けつけたい気持ちもあったけど体が動かずで。

もどかしくて自分が情けなくて夫に泣きついた。

が、泣いていても仕方ない。

私も赤ん坊を守るという使命があるのだから、身体と相談しつつ明日は行く。

セカンドオピニオンを考えた日

来週には私が産休入りになる事と、その前に消化するべきテストがあったので、準備と体力温存のため今週末の帰省は無しにしてしまった。

 

・少し疲れやすい

・むくみ対処で利尿剤服用のためトイレ超近い

・気分的に次の行動にうつるのが少々億劫

 

とのこと。抗がん剤の副作用は出ていなさそうだけど少々心配。

 

先日、セカンドオピニオンの事をそれとなく聞いてみたけれど、

父も当然考えていなかったわけではないらしい。

父の友人にもがんを患った方がいて、病院リストを共有してくれたとのこと。

 

ただ、父の現在の考えとしては、

・かかりつけ医から紹介してもらった信頼できる医師に診てもらっている

セカンドオピニオンに否定的な訳ではもちろんないけど、もし県外の病院に通うとなった場合の体力に自信がない。

・現在の病院では何かあったらすぐにかかれること、病院側も迅速に対応してくれることに安心感がある

・がんの進行状況を考えると、手術を受けられるところを探すよりも、自宅で今の生活を続けながらの抗がん剤服用で様子を見ていくのがいいと思っている

 とのこと。

 

母も末期がんで、抗がん剤治療のため入院したことがあるけれど、治療がつらく気持ちがふさいでしまい、ずっと退院したがっていた事を思い出した。

家で療養をはじめてからは、とても明るく過ごしていた。

 

一度も医師の説明を聞いていない私からすると「他にも何か方法があるのでは」という思いもあるけれども、「県外の病院だって良い所あればいつでも連れて行くよ!」と、臨月が近い私が、簡単に言えない状況なのがすごくもどかしい。

それに、複雑だけれど、父の気持ちもわかるんだ。

なるべく日常を守りたいよなあ。

 

セカンドオピニオンも今すぐに受けなくては機会がない訳ではないし、もし受けたいとなれば私の夫も含めサポートする。と伝えて、この話題は終わった。

 

それで良いのだろうか。迷いはまだある。

花見の日

差し入れを持って実家に行き、

特に何をするわけでもなく過ごすつもりだったけれど、父から

「桜が満開だから近所の公園に、ギターを持って花見に行こう」

とお誘いあり。乗っかる。

 

風はあるけど暖かい日だった。父の体調も良好。

母の生前、何度か二人で来ていたようで、

お気に入りのベンチがあったみたいだ。初めて知った。

 

娘がいうのもなんだけど父はギターがものすごくうまい。

私はワンパターンのアルペジオが弾けるかな程度。

だけど父はしっかりと私の分のギターまで運んできていたので、

ものすごく小さい音でポロンポロン弾いて二人で遊ぶ。

こんなに仲良い感じだったっけ、私たちは。

気恥ずかしさを少々感じながらも穏やかな時間を過ごす。

途中ほろ酔いの兄ちゃんズに話しかけられ一瞬警戒したけど、

音楽をやっているので興味を持って話しかけてくれたらしい。

父も嬉しそうに応じて少々のウンチクを語り合って交流している。

それを隣のベンチから微笑ましそうな表情で見ているマダム。

初めて見る楽器に、口を開けながら近づいてくるキッズ。

 

なんだこれ。めちゃくちゃ平和じゃないか。

休日の公園はこんなにも平和な空気が流れているものなのか。

生前の母と父はこんな時間を過ごしていたんだなあ。

 

帰り際、写真を撮っていなかったことに気がつき、

桜と一緒にぎこちない2ショット自撮り。いい日でした。